痔の治療法の歴史は古く、仏教の伝来とともに中国から伝わったとされています。
その際に伝えられた治療法のひとつであった腐食療法が、
古来の日本では行われていたのです。
明治時代に入り西洋医学が台頭してきたことで衰退しましたが、
現代でも一部の病院で行われている方法のひとつです。
痔核を壊死させて取るというもので、
現代では腐食作用のある薬剤を痔核に注射する方法のことをいいます。
昔は痔の手術というと非常に痛いものだったため、
知覚神経のない内痔核を腐らせる方法は痛みがなく入院も必要ないと
非常に人気がありました。
ただ、注射薬が内痔核からこぼれて外の肛門部分に染みると激痛があること、
薬の量を誤って目的以外の組織まで腐食されると
激しい痛みと傷跡が残り、肛門に機能障害が起こる危険性などが
指摘されています。
腐食剤にヒ素が使われることもあったことから
毒性によって患者が死亡したケースもあり、
合併症も報告されており、最近ではあまり行われません。
保険の適応がなく自費診療であるということも
患者から敬遠される一因かもしれません。
また、刺激性のある薬品を痔核に注射することで炎症を誘因し、
痔核を消滅させる硬化療法という方法もあります。
これは内痔が対象で、切れ痔や脱肛には適応されません。
麻酔も入院も必要ないので手軽なのですが、
再発のリスクが高いのがデメリットです。



